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遺跡外にて約束した人達と、中で待ち合わせをすることとなった。 ただ、私1人遅れての合流なため、どうにも気が急く。 道は間違えぬよう、注意して駆けつけなくてはのぉ。 時間節約のため、草をかじりながら走る。果たしてこんなもので腹は膨れるだろうか。 遺跡外にいる間に、コミュ参加者へ歓迎のメッセージをとばしてみた。 間違いなく届くとよいのだが…心配でしかたがない。 しかしこうして人に話しかけるきっかけが出来るのは嬉しい。 コミュ関係なく、色々な人と会話を楽しめるようになればよいの。 理由こじつけつつ頑張っていきたい。 緊張で震える指と、暫く戦わねば。
遺跡外へと戻ってきた。 人ごみをふらついてみて気づいたのだが、 最近の流行なのか、赤い厚手の服をよくみかける気がする。 帽子もセットで暖かそうだったゆえ、一着譲ってもらった。 …うむ、これはぬくい。 元々はさたんなんとかという職業の者が着用する、伝統的な衣装らしい。 暫くはこれで過ごすこととしよう。 そういえばコミュニティというものを作ってみた。 同じ趣味趣向の者が集う場所で、私が作成したのは絵に関するものだ。 しかし気を抜いているところ既に人が参入しており、独り言をばっちり聞かれてしまった。 正直気恥ずかしかったのぉ…。 せっかくだから何かしたいと思う。さて、どうしようかの。
さて、どうしたものか。 ムカデは生きたままハサミで切り刻むと良い、と聞いたことがある。 …無理だ。そんな恐ろしいことをこなす勇気など、はっきり言ってない。あるわけがない。
そうだ。エルフの母から、とっておきの方法を教わっていた気がする。 「あーえーと、うーむ。 あ、笑ってごまかす…」 にへら、と力なく笑ってみせる。そしてすぐに肩を落とす。 「何やってるんだ私は。こんなのでどうにかなれば苦労は…ひぃっ」
頭を抱えてブツブツつぶやいていた私の足元に ムカデが擦り寄ってきていた。
「ご、ごまかせ…た?」
キラキラ輝く瞳に変わった(気がする)ムカデが、 私を見つめて微笑んだ、ような気がした。
どうやらこの遺跡には、野生のウサギも出没するらしい。 ウサギかぁ… ふわふわのもこもこのふっかふかなのかのぉ… 試しにペンを走らせてみたけれど、ウサギの骨格ってどんなだったか? この先出会えたら、じっくり観察してみよう。
食料も心もとないし、もう少し進んだら一旦外へ出る予定だ。 そろそろ力を入れて探索をすすめてみよう。 そしてキラキラ宝の山を……ふふふ
出遅れてしまったようだが、ようやく遺跡へと足を踏み入れた。 ”遺跡”という響きから何か特別な空間を予想していたが、 あふれる木漏れ日と髪を揺らす爽やかな風は、 私の故郷を思い起こさせた。 「これなら楽しく探索を進められるかも…」 ほっと小さく息を漏らし、歩を進める。 それからどのくらい歩き続けただろうか。 腹の虫が騒ぎ出したため、 休憩がてら、外で恵んでもらったパンくずをほおばる。 …しかし貧乏人の身で文句は言えないが、矢張り満腹には程遠い。 「もう一つ食べてしまおうかのぉ。…ぬ?」 荷袋へと伸ばした手の先に、何かうごめくものが触れていた。 背筋をゾワゾワゾワと冷たいものがかけあがる。 恐る恐る手元に目をやり、ソレの姿を確認したところで、 反射的に「ひっ」と掠れた悲鳴が漏れ出た。 指先にはムカデがちょこんと身構え、こちらへと睨みをきかせていた。