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愛しい黒髪を手に絡め 登れ 登れ 入り込め 甘い微笑みを浮かべた あなたの元へ あなたの籠へ --------------------------------------------- ちぐはぐな3つの影が、揺れる炎にあわせ伸び縮みしている。 その中で、ぽつりぽつりと紡がれる穏やかな男の声。 「ああ。私が目的を果たして、 それとも何らかの形で、旅の終わりが来て。 元の街、遠い大陸へと帰ることになったら…… ね。その時は、私と──」 がさっ… それは小さな音だった。 だが口を噤んだ男は、そっと立ち上がる。 「私が、見てきます。 大丈夫。すぐ戻ってきますから。そうしたら話の続きを、ね?」 優しい微笑みを1つ残し、男は静かに駆け出した。 「─という夢を見たのですけれど。」 クインスは、不思議そうに首をかしげてみせた。 「一体何の話だったのでしょう。ね? おや、向こうで何か……聞こえませんでしたか? うぅん。ちょっと見てきます!」 手にしていた包みをその場に置くと、軽やかな身のこなしで立ち上がる。 「ん。つくりかけの飾り、預かっておいてください。 戻ってきたら仕上げないと。フフ!」 空には重たい灰色の雲が広がっていた。