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簡単な準備と心構えだけで挑んだ探索は、やはり厳しいものとなった。 道をふさぐ野良犬をなだめ、再び遺跡外へと踵を返す。 まだ遺跡に入ってから2日だというのに、既に服も体も傷だらけだった。 「いやはや。これは私一人じゃ絶望的かのぉ…ぬ」 足元を走り回るムカデから目を外したところで、ふと前方の人だかりに気がつく。 「これは一体?」 近寄ってみると、人々は皆例外なくそこにある何かを見ているようだった。 真剣な眼差しを追う。 「はて、掲示板か!」 皆の視線の先には武器や防具の作成請負、 そして仲間募集の貼り紙がところせましとクリップされていた。 「うむ、確かに防具は欲しいのぉ。武器も…出来れば替えた方がよさそうか」 そして 「仲間募集…」 声に出したとき、少しドキリとした。 唾を飲み込み、そして小さく頷く。 「よし」 決意の表情で、再び食料確保に向かう。 また遺跡探索の日々となるのだ。出来るだけ買い込まねばなるまい。 「…でも結局、パンくずと草、か。ふふふ…」 笑いを勘違いしたムカデが、嬉しそうに体をくねらせた。